パーキンソン病 文献まとめ2022(歩行、バランス訓練、トレッドミル、ストレッチ)

リハビリ

こんにちは!今回は、パーキンソン病の理学療法について、文献を一部抜粋してお伝えします!!

※今回は文献をまとめたのみになりますので、パーキンソン病の簡単な概要をまとめた記事については下記を参照下さい↓

パーキンソン病とは?ガイドラインまとめ(症状、原因、寿命、理学療法、リハビリ)
こんにちは!今回は、パーキンソン病の理学療法についてまとめていきます!! 後半は文献も交えて記載していきます! ○管理人プロフィール ▶足と靴専門の理学療法士(8年目)。新人教育担当。理学療法士になる前に、足と靴の...

○管理人プロフィール

▶足と靴専門の理学療法士(8年目)。新人教育担当。理学療法士になる前に、足と靴の専門学校にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は比較的豊富です。

▶実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝え出来ます。(ニーズがあるのかは不明)

 

✔目次                       ・パーキンソン病の病態                 ・パーキンソン病の運動療法

・パーキンソン病の病態について

 

→パーキンソン病の病態について、一般的なもの以外のことを、一部文献を抜粋して紹介します↓

【パーキンソン病では感覚障害もおきる?】

▶パーキンソン病の症状は、無動、固縮、安静時振戦といった4大兆候以外でも感覚障害が生じるといった文献がいくつかあります。

【パーキンソン病と感覚障害】                 ・線条体は黒質から入力を受けている                  ・線条体は大脳皮質からの投射を受けている(運動・感覚共に)                                       ・つまりパーキンソン→感覚障害も生じる可能性がある。                                       ・固縮などにより関節運動が低下→2次性の位置覚障害も考えられる。

以下、文献より一部抜粋↓

【文献①】

パーキンソン病は進行性の神経変性疾患であり,黒質緻密部のドパミン神経の減少により生じる.
黒質緻密部から入力を受けている線条体でドパミンが欠乏することにより,線条体からの投射神経の活性に異常が生じ,振戦,筋固
縮,寡動等の運動機能障害が起こる.

パーキンソン病患者には嗅覚や触覚,侵害受容,固有受容の変化といった感覚機能障
害も見られる。

線条体は大脳皮質の運動,感覚どちらの領域からも軸索の投射を受けていることから,ドパミンの欠乏は運動機能だけでなく,感
覚機能にも影響すると考えられる.

 

【文献②】

 健常者と比較してPD患者では深部覚としての足関節位置覚の識別が困難であることが示唆された。

これは、PDでは筋固縮や無動,関節拘縮などによって,関節運動の減少や関節の固定化を生じるため,姿勢に必要な体性感覚入力が低下または変調するという望月の報告を支持する結果と考える.
また,これらの深部覚としての足関節位置覚の識別低下は,1~2週間程度の観察期間では大きな変化を来さないことが確認された.
このことから,PD患者における足関節位置覚識別低下は,PD発症後長期経過により生じる二次性障害と考えられた.

発症早期のPD患者に対して,足関節の位置覚識別課題を導入した感覚入力への理学療法アプローチを検討することで,PD患者における姿勢制御低下による転倒防止を図りたいと考える.

【パーキンソンでは拮抗筋の相反抑制が障害される】

↓以下文献より一部抜粋

【文献⑤】

PDでは,健常者に比べ等尺性収縮時の拮抗筋のH反射が安静時より増大しており,拮抗筋の相反性抑制が障害されると報告されている.

鏡原らは,PDは拮抗筋のH反射が運動開始後70msで著明に増加し相反性抑制よりもむしろ促通に働き,時間経過に伴い抑制が働くが健常人に比べ抑制量は有意に低下すると述べている.

・パーキンソン病のリハビリ

【後ろ歩きの効果】                     ・伸筋の活動増加→前傾姿勢改善                                ・前傾姿勢改善→股関節戦略↓・足関節戦略↑                                 ・即時的に前方へのバランス能力↑

以下、文献より一部抜粋↓

【文献③】

PD患者特有の前傾姿勢の要因は、重心の後方変位が関与しており、治療の1つに後進歩行が提唱されている。

後進歩行は伸筋群の活動、最大歩行速度や重複歩距離、前傾姿勢などに影響を与えるが、その原因については不明である。

 前傾姿勢の軽減により、股関節によるバランス制御の割合が減少し、足関節によるバランス制御の割合が増加した結果、姿勢制御が変化したものと考えた。

COG・COPが後方移動した結果、前方への移動に余裕が生じたものと考えた。

PDでは後進歩行により、バランス制御に関わる前後方向への余裕が生じた結果、即時的に前傾姿勢と前方へのバランス能力の改善が生じた可能性が示唆された。

【股関節伸展→姿勢や各動作が改善】                              ・股関節伸展角度増加→アライメント改善、姿勢安定、立ち上がり能力改善、歩行能力改善

【文献④】

腰曲がり(camptocormia)をはじめとする異常姿勢についてのリハビリテーションは,パーキンソン病治療ガイドライン(2011年)でグレードC1と位置付けられ必ずしもその方針が確立した状態ではない。

UPDRS Part3では,姿勢・立ち上がり・歩行・姿勢の安定の項目ならびに合計でも改善が認められた。特に,立位での姿勢については脊椎の可動性と同時に下肢の各関節の可動域に着目し,それぞれの関係に配慮しながら運動療法を行うことは重要であると考えた。

 股関節の伸展角度とUPDRS Part3の合計で正の相関が得られたということは姿勢への影響について体幹の関節可動域のみならず下肢も着目して行くことが重要であると考える。

 

【ゆっくり歩行→歩行機能改善】

【文献⑥】

これまで,パーキンソン病者の足趾把持力と歩行機能との関係については,八谷ら
ができるだけゆっくり歩く「低速歩行」に着目し,ゆっくり歩けるパーキンソン病者は足趾把持力が強く,歩幅を調整できることを報告している

・まとめ

→今回は、パーキンソン病の病態やリハビリ内容について、各文献を紹介していきました!

全般的なパーキンソン病の概要については下記参照下さい↓

パーキンソン病とは?ガイドラインまとめ(症状、原因、寿命、理学療法、リハビリ)
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今回はこれで終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました☺

 

 

【参考・引用文献】

【文献①】西條.線条体におけるドパミンは神経回路依存的に触覚機能を調節する.ファルマシア.2018 年 54 巻 2 号 p. 167

【文献②】榎戸ら.パーキンソン病患者における足関節位置覚識別について 健常者との比較・検討.Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集).2010

【文献③】二階堂ら.パーキンソン病患者における後進歩行前後の姿勢制御の変化.第49回近畿理学療法学術大会.2009

【文献④】保苅ら.パーキンソン病における運動療法の効果~腰曲がりを呈した症例の姿勢と歩行の関連性について~.Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集).2016

【文献⑤】志谷ら.パーキンソン病患者の下肢筋最大随意収縮における主動筋と拮抗筋の関係.Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)2009

【文献⑥】相馬ら.パーキンソン病者の足趾把持力と歩行との関連;快適および最速歩行
における時間的・空間的歩行パラメータの解析ヘルスプロモーション理学療法研究.2021 年 10 巻 4 号 p. 195-198

 

 

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