大腿骨頸部骨折の危険因子とは?(高齢者に多い骨折/骨粗鬆症)ガイドライン参照

リハビリ

こんにちは!今回は大腿骨頸部骨折の危険因子について、主にガイドラインを元に記述していきます!!

私が個人の視点で、リハビリで必要だと思う項目のみピックアップしていますのでご了承ください!!

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●このブログをみて得られるメリット

・大腿骨頸部骨折になりやすい「危険因子」について評価項目が一気見できる。

・ガイドラインで難しい単語は簡単に内容説明を入れます。

目次 

・大腿骨頸部骨折になりやすい人とは?

・大腿骨頸部骨折の危険因子

 ▶︎ガイドラインより

 ▶︎その他文献より

・まとめ

・大腿骨頸部骨折になりやすい人とは?

▶︎大腿骨頸部骨折は、高齢者に大変多い骨折ですよね。

▶︎私の職場でもかなりの割合で入院して来られます。

▶︎臨床に携わっていると、

「なんかこの人何回も骨折して入院するな〜」

「転倒してないのにすぐ骨折するな〜」

↑みたいな方がしばしば見受けられます。

しかし、逆に

「何回か転倒しているのに、全然骨折はしないな〜」

みたいな人もいます。

ではこの両者の違いは何なのでしょうか??

それが今回お伝えする「危険因子」に関わっていきます。

頸部骨折のなりやすい人が分かっていれば、入院中の介入である程度ご本人にアドバイス等できる機会も増えるかと思います。

では、さっそくガイドラインにそって記載していきます!!

・大腿骨頸部骨折の危険因子

では、まずは一気に項目を挙げていきます。

・骨密度の低下【Grade A】
・脆弱性骨折の既往【Grade A】

・骨代謝マーカーの高値【Grade B】

・血清ビタミンDの低値【Grade B】

・非常に低い血清エストラジオール値【Grade C】

・血清ビタミンA濃度低値と高値【Grade C】

・親の大腿骨頚部/転子部骨折の既往【Grade B】

・甲状腺機能亢進症,性腺機能低下症,胃切除術の既往【Grade B】

・糖尿病,腎機能低下【Grade C】

・膝痛【Grade C】

・視力障害【Grade C】

・喫煙【Grade A】

・向精神薬の使用【Grade B】

・加齢【Grade B】

・低体重【Grade B】

・多量のカフェイン摂取【Grade C】

・未産【Grade C】

その他文献等より

・過度な飲酒

・ステロイドの使用

↑こう見たらかなり多いですね!

正直、なぜ骨折との関係があるのか微妙なものも結構ありましたので、一部詳細を記載します。

・骨代謝マーカーについて

骨代謝マーカー:骨吸収や骨形成の過程で作られる物質のこと。骨吸収マーカーと、骨形成マーカーに分かれます。

以下ガイドラインより抜粋↓

骨吸収マーカー[尿中I型コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)や遊離型デオキシピリジノリン(D-Pyr)など]や骨形成マーカー[血清非カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)]の高値は,大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子である(EV level R-II).

骨代謝マーカー高値と大腿骨近位部骨密度低下を組み合わせると大腿骨頚部/転子部骨折予測能が高まる(EV level R-II).

・血清ビタミンDと骨折

▶︎ビタミンDは「骨代謝の維持」に関与しているので、低下していると骨折リスクが高まります。

基準値は以下の通り↓

・血清25(OH)D濃度が30 ng/ml以上をビタミンD充足状態と判定する

)・血清25(OH)D濃度が30 ng/ml未満をビタミンD非充足状態と判定する
・血清25(OH)D濃度が20 ng/ml 以上30 ng/ml未満をビタミンD不足と判定する
・血清25(OH)D濃度が20 ng/ml未満をビタミンD欠乏と判定する

引用:日本内分泌学会雑誌 Vol. 93 Suppl. Mar. 2017

・血清エストラジオール値と骨折

▶︎エストラジオール:エストロゲンの中で最も活性が強く、通常、検査で測定される血中エストロゲンの主成分。

▶︎エストロゲン:女性の閉経後に著しく低下。低下すると破骨細胞が活性化される。

・血清ビタミンA濃度と骨折

▶︎ビタミンA低値では骨粗しょう症性骨折

高値では高密度骨折のリスクあり。

▶︎血中のレチノール(ビタミンA)濃度の平均値は約60μg/d

・甲状腺機能亢進症と骨折

▶︎甲状腺機能亢進症では、骨吸収のほうがやや強く働くため、バランス的には骨塩量が減少する。

▶︎さらに尿からのカルシウム排泄の増加や、血液中のビタミンDの活性の低下、腸管からのカルシウムの吸収も低下もきたすため、骨粗しょう症のリスク↑。

・性腺機能低下症と骨折

▶︎性腺機能低下症に起因する低エストロゲン血症は骨吸収を亢進させ骨量低下を招く.

・胃切除術と骨折

▶︎胃切除により、カルシウムの吸収が悪くなるため、骨密度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる。

・糖尿病と骨折

▶︎インスリンには血糖値を下げる働きのほかに 、骨芽細胞に作用して骨の形成を促す働きが ある。

・腎機能低下と骨折

▶︎腎臓の機能が低下すると、ビタミンDの活性化がスムーズに行われず、食事でカルシウムを摂っても吸収がうまくできなくなる。

▶︎血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出て補おうとするので、骨は次第に弱くなる。

・喫煙と骨折

▶︎ニコチンの作用で全身の血流が悪くなる。その結果、胃腸の働きが抑えられ、食欲をなくし、カルシウムの吸収が妨げる。

▶︎女性では骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を妨げる。

・向精神薬と骨折

▶︎向精神薬は、ほぼ例外なく高プロラクチン血症を呈する。

▶︎高プロラクチン血症はエストロゲン低下に関与。▶︎エストロゲンは骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐため、枯渇すると骨粗しょう症になりやすくなる。

・多量のカフェインと骨折

▶︎カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎると体内に吸収されたカルシウムが必要な分まで排泄される。

・その他

【飲酒と骨折】

▶︎お酒にも利尿作用があるため、カフェインと同様。

 1日のアルコール摂取24g以上の男女で、骨粗しょう症による骨折リスクが38%上昇し、大腿骨近位部の骨折は68%上昇

引用:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版

【ステロイドと骨折】

▶︎ステロイドの服用による骨強度の低下は必発であり、ステロイド性骨粗鬆症といわれる。

▶︎骨密度が保たれていても、もともとの骨折がなくても原発性骨粗鬆症に比べて骨折しやすくなる。

▶︎ステロイド性骨粗鬆症の特徴として、骨密度の低下よりも骨の強度低下に伴う骨折リスクが大きいということがある。

引用:一般社団法人 日本内分泌学会

↑基本的には、骨粗しょう症のリスクが高くなる・もしくは骨質が低下(骨の強度低下)することが、大腿骨頸部骨折の危険因子ということですね!

・まとめ

▶︎上記の項目で、患者さん本人へ生活指導が必要な項目としては、

・ビタミンDの摂取

・ビタミンAの摂取(過剰摂取は✖️)

・多量のカフェイン摂取はしない

・多量の飲酒はしない

・喫煙は出来たらやめた方が良い

・糖尿病の方は、糖尿病用の生活指導

↑このあたりでしょうか?

看護師さんや、栄養士さんと一緒にお伝え出来たら患者さんも理解しやすそうですね!

また、その他の項目についても、情報として把握しておくとリハビリ中も配慮出来ると思いますのでリストアップ出来ていたら良さそうですね!

今回は以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

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