ウエイトリフティングの靴の選び方

靴の選び方

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こんにちは、足と靴について専門的に研究中の理学療法士tajaxです。

今回は、ウエイトリフティング競技を行う方向けの、靴の選び方をお伝えしていきます。

全般的な足に良い靴の選び方について知りたい方は、

靴が柔らか過ぎると足が変形する⁉︎【足に良い靴のチェックポイント⑩】 - 足と靴のお悩みブログ
こんにちは、tajaxです。 今回は、なぜ、靴が柔らか過ぎると足に悪いのか?という点をお伝えしていきます。 足に良い靴のチェックポイントの1つとして、 ”靴が簡単に捻れないか〟という部分を別の記事でも挙げています。 チェック方法は簡単です。 靴を下図のように手で捻ってみて下さい。 ⬆︎このように簡単に捻れてしまう靴は、...

をご覧ください。

●この記事の信頼性

▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:6年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識・経験があります。

▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。

●このブログをみて得られるメリット

①競技パフォーマンスの向上

②腰痛、膝痛などの障害予防

目次

・ウエイトリフティングの競技特性

    ●歩行などの移動能力は重要ではない

 ●スクワット肢位での最大パフォーマンスが要求される

・ウエイトリフティングの靴の選び方

   ①カカトは低めの靴

   ②靴底は固めのもの

   ③靴底がフラットなもの

   ④ウエストラインが細すぎないもの

   ⑤靴底のサイドラインがフレアなもの

・ウエイトリフティングの競技特性

    ●歩行などの移動能力は重要ではない

⇒ウエイトリフティングは、競技中歩くなどの移動は行いません。そのため、靴の特性である、歩きやすい靴という性能は必要となりません。

⇒靴にある歩きやすい機能としては、歩いている際の重心移動をコントロールすることがあり、靴の形状によって達成されます。

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↑のように、人は歩いている際に踵外側⇒外側ライン⇒付け根外側⇒親指付け根⇒親指つま先の流れで重心を移動させています。

そのため歩きやすい靴の機能として、

①踵外側からスムーズに接地できる形状

②付け根⇒親指に体重移動しやすい形状  があります。

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踵外側から体重がかかるように、上図のように踵外側が少し丸くなっているもの。

また、親指方向に体重移動しやすいように、つま先が反りあがっているもの。

これらが、歩きやすい(スムーズに体重移動しやすい)靴の形状となります。

ウエイトリフティングでは、この機能がすべて必要ありませんので、これらの形状がなくても問題ありません。

●スクワット肢位での最大パフォーマンスが要求される

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⇒ウエイトリフティングでは、スクワット肢位で下肢・体幹・上肢に最大筋力を発揮する必要があります。

⇒そのため、特に重要となるのは、

①安定した立位

②下肢・体幹の力を効率よく発揮できるスクワット姿勢

が挙げられます。

・ウエイトリフティングの靴の選び方

   ①カカトは低めの靴

⇒これについては、スクワット姿勢にかかわってきます。

スクワットの際に、下図のように膝が過度に前方に出た状態でスクワットをすると、膝前方の大腿四頭筋という筋肉が過度に働き、対となる臀筋群等の働きが減少します。

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臀筋は、身体の中での特に大きな筋肉であり、股関節を伸ばす(伸展)作用があります。

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そのため、重りを持ち上げる際に主として働く必要があり、これがしっかり働くとパフォーマンスが向上します。

踵の高さがありすぎると、膝がどうしても前にいきやすくなるので、2〜3センチくらいの高さのものが良いです。

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   ②靴底は固めのもの

⇒これについては、立位での安定性にかかわります。

靴底がやわらかいと、床を踏みしめた際に床からの反力(床反力)が分散され、床から下肢への力の波及が弱まります。

また、靴底がやわらかいことで、立位でのバランス能力が低下するので、スクワット肢位の不安定性にもつながります。

⇒歩行時の疲労軽減という観点では、ある程度のやわらかさが必要にはなりますが、歩行を必要としないウエイトリフティングでは、靴底は固めのものが良好です。

   ③靴底がフラットなもの

⇒これも立位での安定に関与します。上述のとおり、歩きやすいための靴底の形状は必要ではないので、立位の安定を重視して靴底が完全フラットなものをおすすめします。

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↑反りあがりのある部分が振り子のように作用し、前後に足が動揺します。そのため、フォームの不安定性につながります。

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↑のようにそこがある程度まっすぐだと、立位が安定しやすくなります。

   ④ウエストラインが細すぎないもの

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↑図にある靴底のウエストラインが細すぎると、それだけで側方への安定性が欠如します。とくに、偏平足・外反偏平足などは、ウエストライン部分に足が倒れこむので、ウエストライン部分が細いと足が靴底に収まらず、不安定になりやすいです。

さらに、足の変形を助長する可能性がありますので、できるだけウエストラインは太いものを選んでください。

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   ⑤靴底のサイドラインがフレアなもの

⇒これも立位での安定に関与します。

靴底の幅が広いと、立位については安定します。歩行を考慮すると、フィッティングも重視されるため、その理由から靴底が細めに設定されているものもあります。

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サイドラインがフレアだと、足を支持する面が広がりますので、競技の際には有用となります。

以上、ウエイトリフティングの靴の選び方5選でした。

靴の良し悪しによってパフォーマンスが確実に変わりますので、参照頂けたら幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました😄

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