こんにちは、足と靴について研究中の理学療法士tajaxです。
今回は、子ども靴 『NIKE AIR MAX タイニー 』 のレビューをしていきます!
全般的な足に良い靴の選び方について知りたい方は、

をご覧ください。
●この記事の信頼性
▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:7年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識を元に、『この靴は歩きやすいのか』『足の変形を助長しないのか』という視点で靴のレビューをしていきます。
▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。
●目次
●NIKE AIR MAX タイニーの簡単な特徴
●かんたんなレビュー結果
●各項目の詳細
・実際に歩きやすいの?
・立っているときにバランスがとりやすいか?
・足の変形を助長しないか?
▶︎前足部の変形
(外反母趾、内反小趾、開帳足)
▶︎後足部の変形
(扁平足、外反扁平足)
●まとめ
●NIKE AIR MAX タイニーのかんたんな特徴
▶︎NIKE AIR MAXは、NIKE AIRシリーズで随一のクッション性を誇るシューズです。
▶︎今回は、そんなNIKE AIR MAXシリーズのキッズモデルをご紹介します!
▶︎理学療法士の視点で、この靴が
・実際に子供があるきやすいのか
・足の変形を助長しないのか
などをみていきたいと思います!
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⇒参考価格:6380円
⇒サイズ:8〜16㎝(0.5㎝刻み)
靴&ファッション通販 ロコモール https://www.rakuten.co.jp/locondo/
●かんたんなレビュー結果
▶︎さっそく結果を簡単にお伝えします!
●歩きやすさ :4/10
●前後の安定性 :10/10
●左右のふらつき :10/10
●足首の変形 :8/10
●足指の変形 :5/10
⇒ランク D
【要点まとめ】
●つま先部分の反りあがりはある程度ありますが、親指までの転がりがイマイチでした。さらに、カカトのカーブも全くないので、前に足を進めにくい靴ではあるかなと思います。(4/10)
●靴底や革の強度はまったく問題なさそうです。靴底も完全にフラットだったので、前後・左右ともに安定しているかと思います。(10/10)
●靴底の幅も狭いので、側方へのふらつきも比較的出やすいです。(4/10)
また、ウエストも細めなので、足首まわりの変形にはなりやすいと思います。(3/10)
●履き口はマジックテープ式なので、足が前後に動きにくい。そのため、指を圧迫してしまうリスクは少ないです。(8/10)
↑以上のような結果になりました!!
▶︎靴底の硬さはありますが、靴底の形状の影響で歩きにくさ・足の変形などは生じやすいと思いました。
⇒デザインが気に入ったなら、短距離だけ歩くのはアリかと思います。
※各項目の採点基準については下記参照下さい↓
●歩きやすい靴の基準はこちら↓

●前後の安定性についての基準はこちら↓

●左右にふらつきにくい靴の基準はこちら↓

●足首の変形になりにくい靴の基準はこちら→http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/05/10/192615
●足指の変形になりにくい靴の基準はこちら↓

さらにレビュー詳細を見たい方は、下記参照ください!!
・歩きやすさ
▶︎歩きやすさをみるときは、以下のポイントを確認しながらチェックします。
・つま先がしっかり反り上がっているか
・カカトのカーブがしっかりあるか
・重心の軌跡を阻害しないか
↑などをチェックしていきます。
今回のシューズは、
↑つま先の反りあがりはある程度ありますが、親指までの転がりはスムーズではなかったです。
さらに、前からみて靴底が少し丸みおびているので、その分左右に動揺しやすいかなと思います。
また、カカト部分のカーブは全くなく、靴底がハの字に広がっています。
そのため、カカトがつく部分が足の踵部分とギャップが生じ、それにより踵からの衝撃が上手く前方への推進力に変わりづらくなります。(ややこしいので、下図を参照下さい)
↑⭕️靴のカカトの接地位置と、足のカカト部分が近い状態。(足を前に進めやすい)
↑✖️カカトの接地位置と足のカカト部分が遠い状態。(足を前に進めにくい)
※2歳くらいまでのお子さんは歩幅も小さく、足裏全体で床に接地するので、そこまで邪魔にならないかと思います。3歳以降のお子さんは注意してみてください!
・立っているときのバランス
(前後の安定性、横へのふらつき)
立つ時のバランスについて確認するときは、
・靴底の硬さは適切か
・アッパー(革)部分は適切な強度があるか
・付け根からカカトにかけて靴底が真っ直ぐか
・靴底の幅は十分か
という点に注意します。
靴の強度については、下図のように手で靴を捻ってみて硬さを確認します。
↑このように、簡単に手で捻れてしまう靴は、強度が足りません。
強度が不足し、柔らか過ぎると↓のように左右にふらつきやすくなるので、あまり良くありません。
今回のシューズは、
↑力いっぱい曲げてみても、全然ねじれませんでした。そのため、靴底の強度は全く問題ないかと思います
また、革部分についても、しっかり強度がありましたので、靴全体の強度は全く問題ないと思われます。
▶︎次は、付け根部分からカカトにかけて靴底が真っ直ぐなのか、確認していきます。
人は本来、立っているときに
・親指の付け根(25%)
・小指の付け根(25%)
・カカト部分(50%)
↑この3点で体重を支えることになりますので、これらが接地する部分は平坦である必要があります。
↑この靴は、前後・左右ともに全くカーブがありませんでした。そのため、立っている時にふらついたりするのは、あまりなさそうですね。(10/10)
・足の変形を助長しないか。
これについては、親御さんが1番気になる点だと思います。
一般的によくみられる足の変形は、
外反母趾
内反小趾
開帳足
扁平足
外反扁平足
この5つが挙げられます。
細かい説明については、それぞれ別記事をご覧ください!
●扁平足・外反扁平足についてはこちら↓

●外反母趾・内反小趾についてはこちら↓

この5つを大きく分けると
①前足部の変形(付け根からつま先まで)
・外反母趾
・内反小趾
・開帳足
②後足部の変形(足関節)
・扁平足
・外反扁平足
に分けられます。
まず①前足部の変形については、中敷きを見て確認します。
↑付け根部分がしっかり幅があって、なおかつ先端に指が全て収まれば、外反母趾・内反小趾・開帳足にはなりにくくなります。
↑今回の靴は、幅については問題ないですね。
また、つま先の形状についてもそこそこ収まりの良いデザインになっていますので、特に大きな問題はないかなと思います。
ただ、履き口の留め具は全くありませんので、それによって靴の中で足が前後に動いしまう可能性があります。(5/10)
↑黒のベルトはデザインとして付いているだけでした。
②の後足部の変形については、
・靴の強度
・アッパー(革部分)に芯材があるか
・靴底のウエストラインが細すぎないか
↑これらの点をチェックします。
・靴の強度については、立っているときのバランスのところでもお伝えしましたが、靴底が柔らか過ぎると、足の変形も助長してしまいます。
どういうことか、簡単にお伝えすると
扁平足・外反扁平足はざっくり言うと、足が内側に傾く変形のことを言います。
↑これは、足の関節が内側に変形していることを意味するのですが、靴底が柔らか過ぎると体重を支えるカカトと付け根(母指球)が沈み込んでしまうので、結果的にに足が傾きやすくなってしまいます。
そのため靴底が柔らかい=足が変形しやすいと言っても過言ではないでしょう。
また、アッパー(革部分)に芯材があるということも、大きなポイントになります。
▶︎今回の靴は、靴底・革部分ともにしっかりしていますので、強度面では全然問題なさそうです。
最後に、靴底の幅(ウエストライン含む)について確認します。
↑ウエストについても、あまり幅が狭くないので足が内側に傾くリスクは比較的少なめかと思います。(8/10)
・まとめ
▶︎立っているときのバランスについては全く問題なさそうです。
▶︎しかし、歩くときはあまりズンズン進めそうな雰囲気でもないかと思います。走ったり・長距離を歩いたりするのには向いていないかと思いますので、注意してください!
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⇒参考価格:6380円
⇒サイズ:8〜16㎝(0.5㎝刻み)
靴&ファッション通販 ロコモール https://www.rakuten.co.jp/locondo/
●靴のレビューサイト【靴ログ】はこちら↓
以上で終わります。最後までお読みいただきありがとうございました😊
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