圧迫骨折に対するリハビリテーションについて【2019〜2020文献紹介】【いつから?ガイドラインは?】

リハビリ

こんにちは!今回は、高齢者に多い疾患である椎体圧迫骨折のリハビリについて、文献紹介をしていきます!

※専門職の方向けの記事になりますのでご了承下さい。

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●このブログをみて得られるメリット

・椎体圧迫骨折に対するリハビリの文献が一気見出来る

目次 

・椎体圧迫骨折とは?

・文献紹介

・まとめ

・椎体圧迫骨折とは?

▶︎まずは簡単に、椎体圧迫骨折の病態についてお伝えします。

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出典:日本整形外科学会

▶︎受傷起点:転倒、重いものを持つ、

勢いよく座るなどなど…

▶︎分類:

・骨粗しょう症性:比較的弱い外力で生じる

・病的骨折:転移性骨腫瘍によるもの

・外傷性骨折:強い外力により生じる

↑こんな感じですね。基本的には骨粗しょう症のものが多く、高齢者に多い疾患です。

▶︎あくまで基本情報なので、かなりさらっとお伝えしました💦

ではさっそく、文献紹介に移ります。

・文献紹介

【コルセットの長期使用が体幹筋力に及ぼす影響について】

▶︎コルセット着用群・未着用群ともに、2 か月間では体幹筋量や位相角に 大きな変化はみられなかった

▶︎筋 量または筋細胞の質的変化を検証したものは少 ない。体組成計 in body770 にて計測可能な位相角は、細胞の栄養状態や老化程度を表す指標 として使用されており、慢性疾患患者における 重症度の評価に用いられている。

※入院中のリハビリ介入を行っていたことを考慮されておらずコルセット着用患者は比較的体幹トレーニングをコルセット未着用患者は下肢トレーニングを中心にリハプログラムを組む行う傾向にあった。そのことが筋量・位相角の変化がみられなかった要因とも考えられる。

参考文献:小山:コルセットの着用期間が体幹筋量や位相角に与え る影響について,九州理学療法学術大会,2019

【圧迫骨折 後方への外乱応答について】

▶︎非臨床骨折群と比較して臨床骨 折群において後方への外乱負荷応答に対する反応を点数 化した PST スコアが有意に低かった.

▶︎脊柱後弯が増大すると 立位姿勢において膝関節は屈曲位をとり,姿勢保持のために脊柱起立筋群や大腿四頭筋,下腿三頭筋などは持続 的な筋活動が必要になる。

▶︎また,脊柱後弯により重心位置が後方に偏倚す ることが報告されている

▶︎さらに,Maejima ら や 斉藤ら は円背が進行するにつれて,足圧中心の後方 への移動量が小さくなり,後方へのバランス能力が低下 すると述べている.

【圧迫骨折 前方リーチ】

▶︎FRT は非臨床骨折群と比較して臨床骨折群で有意に短かった.

▶︎村田 らは脊椎後弯と足趾把持力との間に有意な負の相関 があったと報告している.

▶︎本研究の臨床骨折群では脊柱 後弯が有意に大きく,脊柱後弯と負の相関がある足趾把 持力が低下していたことが考えられる.

▶︎これらのことか ら,上肢の前方へのリーチに伴う前足部への荷重が要求 される FRT において,足趾把持力低下の可能性がある 臨床骨折群と非臨床骨折群との間に差がみられたと考え る.

▶︎その他にも FRT と膝伸展筋力とは有意な正の相関 があったと報告されている.

▶︎本研究においても非臨 床骨折群と比較して臨床骨折群で下肢筋力を評価した CS-30 は有意に減少しており,臨床骨折群で FRT が短 かった原因として下肢筋力が低下していたことも考えら れる.

【圧迫骨折 立位重心動揺】

▶︎立位重心動揺検査では 有意な差を認めなかった.

【圧迫骨折 円背】

▶︎非臨床 骨折群と比較して臨床骨折群において円背指数が有意に増加していた.

【圧迫骨折 下肢筋力低下】

▶︎身体機能において CS-30 (下肢筋力)は非臨床骨折群と比較して 臨床骨折群で有意に減少していた.

▶︎Arima ら は形態 骨折で定義される脊椎圧迫骨折のない高齢女性と比較し て,脊椎圧迫骨折を 2 椎体以上有する高齢女性で下肢筋 力が低下していたと報告している.

▶︎甲斐ら は腰椎前弯が減少するほど大腿四頭筋力が弱くなると報告してい る.

▶︎また,宮原らは変形性脊椎症患者と健常高齢者 の膝関節伸展筋力を比較した結果,変形性脊椎症患者に おいて有意に膝関節伸展筋力が低下していたと報告して いる.

▶︎本研究の臨床骨折群では単椎体骨折と多椎体骨折 を有する対象者が混在していたが,脊椎圧迫骨折を有す る高齢者で下肢筋力が低下していたという先行研究  の結果と一致した.

【圧迫骨折 転倒】

▶︎過去 1 年間の転倒の有無に関して,臨床骨折群と非臨 床骨折群に有意な差はみられなかった.

▶︎PST スコアの成績は悪かった一 方で,静的なバランス機能や平衡機能を評価する重心動 揺検査の項目において 2 群間で差がみられなかった.

▶︎転倒に関係する要因はバランス機能のみでなく,筋力や歩行能力,関節障害、転倒恐怖,服薬など多岐にわたる報 告がされている

引用文献:岸本ら.臨床症状を有する脊椎圧迫骨折患者の後方への 外乱負荷応答に着目したバランス機能の検討.理学療法科学.2019

【圧迫骨折 強い疼痛が残存するケースの特徴】

▶︎特徴として、受傷後早期からの活動量が低く,腰背部痛の軽減や歩行能力の獲得が遅延していることが挙げられた.

▶︎退院時にかけて抑うつや痛みの破局的思考の改善,活動量の増加も乏しいことから,これらの特徴を持つ患者に対しては通常の保存療法に精神心理面の改善や活動量の増加に対するアプローチを併用する必要性が示唆された.

引用:片岡ら.強い腰背部痛が残存する脊椎圧迫骨折患者の特徴.第53回日本理学療法学術大会.

【圧迫骨折 起立台】

▶︎圧迫骨折患者に対して、起立台を使用した場合(T群)と使用しない離床方法(N群)について ADL の比較、 検討を実施。

(調査項目)

▶︎退院時の歩行様式と下記項目の相関について

・年齢

・入院から歩行開始までの日数

・在院日数

・受傷前の歩行様式

・退院時 Barthel index(B.I.)

▶︎退院時の歩行様式と有意な相関がみられた調査項目 は T 群、N 群ともに同様であった。

引用:松吉ら.脊椎圧迫骨折における離床様式と ADL の関連性の検討.第53回日本理学療法学術大会.2019

↑この調査では、起立台の使用の有無はあまり予後に関係がないという結果になっています。

【圧迫骨折 筋力測定】

↑圧迫骨折患者に対す る体幹伸展筋力の強化は脊椎圧壊の予防や痛みの軽減に効果があるとされており,筋力強化を図ることが重要。

▶︎測定には, HHD( μ Tas F-100,アニマ社 ) を使用。

▶︎測定部位は Th3,Th6, Th9,Th12 とし,澤ら(2015)の方法に準じて 体幹伸展筋力を測 定。

▶︎方法:測定における 1 回の筋収縮時間は 5 秒とし,3 回測定した. その際,測定間隔は,30 秒とした.分析には 2 回目と 3 回目の値を 各対象者の体重で除した値を用いた.

▶︎本研究では,全ての測定部位での検者内信頼 性が高く,Th3 と Th6,Th9,Th12 には強い相関が認められた

引用:鈴木ら.ハンドヘルドダイナモメーターを用いた体幹伸展筋力 測定の信頼性の検討.第53回日本理学療法学術大会.2019

【圧迫骨折 多裂筋】

▶︎脊椎圧迫骨折患者において急性期における 1 か月間で最長筋の筋厚に変化はみられなかったが、多裂筋の筋厚は有意に減少した

▶︎Hodges(2006)らは脊椎の急性疼痛や損傷後、 数日以内に多裂筋の萎縮がみられたと報告しており、Hides(2007) らはベッドレストにより下位腰椎レベルで脊柱起立筋より多裂筋に 顕著な萎縮がみられたと報告されている。

▶︎脊椎圧迫骨折患者において骨折による急性疼痛やベッドレストにより多裂筋の筋厚は減少したと考える。

引用:岸本ら.脊椎圧迫骨折患者の急性期における腰背部筋筋厚の経時的変化.第53回日本理学療法学術大会.2019

・まとめ

【コルセットの効果について】

▶︎コルセット着用群・未着用群ともに、2 か月間では体幹筋量や位相角に大きな変化はみられなない。

【下肢筋力について】

▶︎身体機能において CS-30 (下肢筋力)は非臨床骨折群と比較して 臨床骨折群で有意に減少していた.

▶︎脊椎圧迫骨折患者において急性期における 1 か月間で最長筋の筋厚に変化はみられなかったが、多裂筋の筋厚は有意に減少した。

【バランス能力について】

▶︎後方への外乱負荷応答に対する反応を点数化した PST スコアが有意に低かった。

▶︎FRT は非臨床骨折群と比較して臨床骨折群で有意に短かった.

【予後予測】

受傷後早期からの活動量が低く,腰背部痛の軽減や歩行能力の獲得が遅延している

【起立台の効果】

▶︎圧迫骨折患者に対して、起立台を使用した場合(T群)と使用しない離床方法(N群)について ADLは変化がなかった。

↑変化のあったものをピックアップしたらこんな感じになりました!!

▶︎今後も少しずつ追加していく予定ですので、また是非ご覧ください!

※文献の詳細については、原文を参照ください。また、各文献のエビデンスレベルについては、各々でご判断して頂けたらと思います。

以上で終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

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