▶︎今回は、立方骨を頂点に構成される外側縦アーチについて、まとめていきます。
▶︎足のアーチといえば、いわゆる土踏まずを形成する『内側縦アーチ』が一般的にも広く知られていますが、『外側縦アーチ』については世間的な認知はほとんどありません。
▶︎しかし、足部をみる上で『外側縦アーチ』はとても重要なので、ぜひ最後までご覧ください!!
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●この記事の信頼性
▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:7年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識があります。
▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。
●このブログをみて得られるメリット
・外側縦アーチの概要や測定方法がわかる
・外側縦アーチについての文献をまとめて一気に見れる。
目次
・外側縦アーチとは?
・外側縦アーチの測定方法(外側縦アーチ率)
・文献まとめ
・終わりに
・外側縦アーチとは?
▶︎足部には3つのアーチが存在し、
・内側縦アーチ
・外側縦アーチ
・横アーチ からなります。
外側縦アーチは中でも足部の外側に位置しており、踵骨、立方骨、第 4 ・ 5 中足骨により 構成されています。
(立方骨と踵立方関節が要)
関節 は距骨下関節、踵立方関節、外側リスフラン関節が存在し、
筋は 長腓骨筋と短腓骨筋と小趾外転筋で構成されています。
▶︎足部の内側・横・外側アーチは独立して形成されるものではなく、骨格のドーム構造を共有するため互いに影響し合っているといわれています。
特に立方骨は, 足の外側縦アーチと横アーチを直接支持し、間接 的に内側縦アーチを支持することにより足の3 つのアーチを構築すると考えられており、アーチ機構にとってとても重要な役割を果たしているといわれています。
参考文献:深木ら:立方骨サポートインソールが平地および片斜面における立位重心動揺に与える影響(2013)
・外側縦アーチの測定方法(外側縦アーチ率)
▶︎内側縦アーチの測定方法は様々ありますが、外側縦アーチの測定についてはあまり確率されていないのが現状です。
中でも今回は比較的文献等でも散見される『外側縦アーチ高率』の測定方法をお伝えします。
【外側縦アーチ高率(LAR)】
[LAR=(インステップ高)/(外踏まず長)×100]
↑算出方法はこんな感じです。
インステップ高とは、舟状骨の頂点の高さのことをいい、
外踏まず長は踵〜第五中足骨頭までの長さです。
↑これを
10%荷重 50%荷重 90%荷重などで
実施し、座位や立位等で測定し比較すると『外側縦アーチの柔軟性』も把握出来ます。
▶︎変化率は,荷重位と非荷重位における差分を体重 で除し,正規化するなどして算出します。
※外側縦アーチ高率については、基準値等がわかりませんでした💦
勉強不足ですみません。また分かり次第更新します🙇♂️
・文献まとめ
▶︎では、外側縦アーチに関する文献をいくつか紹介していきます。
【外側縦アーチ変化率による影響】
▶︎外側縦アーチ変化率が低いほど,CF (カーフレイズ)動作時の COP は前方へ移 動する傾向が示された。
▶︎外側縦アーチは可動性が少なく剛性が高いため,外在筋を足部に伝える役割を担うと言われる。
▶︎カーフレイズ動作は下腿三頭筋が主動作筋として作用し踵骨が挙上し COP が前方へ偏移する
▶︎よって,外側縦アーチの変化率は下腿 三頭筋の作用と関連しているということが示唆された。
引用
大堀ら:カーフレイズにおける足部構造の変化とCOPの関係性(2013)
【外側縦アーチ 下腿傾斜角度】
▶︎キック動作では、軸足側の下腿傾斜角度が大きくなり外側荷重となることで、外側縦アーチが低下し第 5 中足骨へのストレスが生じると考えられ、疲労骨折の一因であると予想される。
引用山根ら:サッカーのキック動作時における軸足側の下腿傾斜角度キックの種類による比較
【各アーチにかかる体重比】
▶︎Kapandjiによると,踵骨と内側アーチと外側アーチへかかる体重比は,踵骨:内 側アーチ:外側アーチ=3:2:1となると述べている。
▶︎すなわち,全体量はまず距腿関節で距骨にかかり,そこ から3箇所に分散されていくと考えられるが,扁平足で は距骨の前内方への滑りがおこることにより,体重は内 側縦アーチによりかかるものと考えられる。
引用
三秋ら:アーチ高率の違いによる内外側方向における 足圧中心位置の検討
【外側縦アーチパット 効果】
▶︎大山らは外側縦アーチパッドを付加することにより重複歩幅(重複歩距離)と歩行速度は有意に増大傾向であ り、内側縦アーチパッドと横アーチパッドは母趾外転 筋・長母趾屈筋・長趾屈筋、外側縦アーチパッドは小趾外転筋・短腓骨筋などが補助されると報告している。
▶︎そのため内側縦アーチパッドは第 1 趾を屈曲・内転、横 アーチパッドは第 2 ・ 3 ・ 4 趾を屈曲、外側縦アーチパッドは第 5 趾を屈曲・外転させる効果があると考えられる。
【浮き指 外側縦アーチパット】
▶︎浮き趾の有無に かかわらず外側パッドで足趾荷重量が増加したことか ら、荷重時に外側縦アーチを支持し、アーチ挙上を担当する筋群が補助されたと示唆された。
▶︎加辺らは、母趾は「支持作用」、第 2 ~ 5 趾は「重心 を中心に戻す作用」を持つと報告されている。
▶︎大 山らは外側縦アーチパットにより、足底の筋群を補 助し、立脚期での外側への動揺を減少させ、母趾方向へ の誘導を補助して推進力を増大させていると述べてい る。
▶︎これらから先行研究と同様に外側パッドで第 4 ・5 趾が接地し歩行中の外側への動揺が減少したと考えら れた。
▶︎裸足より 外側パッド、外側パッドよりも 3 軸(内側、外側、横アーチ使用)と有意に足趾荷重量 が増加した。
▶︎足部の内側・横・外側アーチは独立して形 成されるものではなく、骨格のドーム構造を共有するた め互いに影響し合う。
引用
阿部:外側縦アーチパッドが足趾に及ぼす効果
【立方骨サポートインソール(BMZ)】
▶︎足底から立方骨を支持するよう凸部が配 置され,足部の内側縦アーチを支持することなく 足趾の運動性を高めながら足部を安定させることが出来るとされ,足部の外側縦アーチと横アー チの楔となる立方骨をサポートする。
▶︎静止立位にて BMZ 挿入の有 無を条件として重心動揺を比較し有意差を認め なかった。
▶︎下肢の機能的運動能力テストであ るFunctional Ability Testの項目である片脚幅跳 び,片脚 8 字跳躍,片脚反復横跳びの課題では BMZ 挿入時に有意な運動パフォーマンス向上を 認めた との報告がある.
▶︎動的バランス評価として SEBT 課題下において各方向へのリーチ距離には 有意差を認めなかったが,BMZ と Non-BMZ の 総軌跡長と外周面積に有意差を認め,BMZ は総軌跡長と外周面積は減少させた.
(方法▶︎一側下肢に BMZ を挿入した支持脚,反対側下肢をリーチ脚として 片脚立位をとり,両手は腰部にあて,それを開始 肢位としてリーチ足の足尖をできるだけ遠くに タッチさせ,各方向 3 回ずつリーチを行った)
【SUPER feetとBMZの効果】
▶︎総軌跡長において,先行研究より内側縦アーチへの適度な圧が平地での重心動揺を小さくするという報告がある.
▶︎内側 縦アーチをサポートするSUPER feetではこれにより総軌跡長が有意に減少したと考える.
▶︎BMZは3つの足部アー チを 1 つの連動した足ドームとして捉え,これを支えている立方骨を支持する.
▶︎よってSUPER feetの挿入による平地で の重心動揺が安定した機序とは異なる影響である.
▶︎片斜面ではインソールなし,SUPER feetと比較し,BMZで有意に減 少した.
▶︎SUPER feetでは片斜面に対して下方の足は足部回外がさらに増加するため,不安定になるのに対し、BMZでは SUPER feetと比較し足部のアライメントをより中間位に保持できたものと考えられる.
引用
深木ら:立方骨サポートインソールが平地および片斜面における立位重心動揺に与える影響(2013)
【立方骨サポート 片脚立位】
▶︎硬性素材、軟性素材使用時における筋活動の変化において有意な差はみられなかった。
▶︎また、側方動揺の変化に関しても軟 性素材の使用における動揺の減少はみられるものの両素材共に有意な差はみられなかった。
【測定時のパッドとして、硬性素材(ショア硬度:68 shore A)、軟性素材(ショ ア硬度:18 shore A)1cm を用い、立方骨部に貼付した。
▶︎片脚立位時における外転筋群筋活動及び側方動揺を測定し、測定 筋は中殿筋中部繊維とした】
▶︎本研究の結果より、立方骨に対してパッドを使用することで外転筋群の筋出力の向上は見られるが、素材による筋出力、側 方動揺に対する変化は示されないことが示唆された。
▶︎よって、インソール作成時において立方骨に対する素材の検討は除外さ れると考えられる
引用
中島ら:適切なインソール素材硬度の検討-立方骨部に着目して-(2017)
【内外側アーチとシューズ】
▶︎着地動作を行った際の足部アーチ角の変位量は, 内側アーチでは裸足に比べてサッカースパイク着 用時に有意に小さい値を示し,外側アーチではランニングシューズおよびサッカースパイクを着用 することによって有意に変位量が小さくなること が明らかになった.
▶︎足部アーチは衝撃や荷重に応 じて骨が変位することで衝撃吸収の役割を果たす.
▶︎今回の実験においては,シューズ着用時は裸足に 比べてアーチの変形によって賄われている衝撃吸 収の量が減少しており,代わりにシューズの衝撃 吸収機能がその役割を担っているものと予測され た。
引用
深野ら:着用シューズの種類が片脚着地時の足部内側および 外側縦アーチ変形に及ぼす影響(2012)
・終わりに
▶︎今回は外側縦アーチについてまとめていきました!
▶︎まだまだ文献が不足していますので、新たな文献が出てきたら加筆していきます!
▶︎以上で終わります。最後までご覧頂きありがとうございました😊!
その他、足部の評価項目についてはこちら↓
【足部評価まとめ】
【leg heel angle(LHA)正常値・測り方は?】
【内側縦アーチ高率(MLA)って何?評価の方法は?】
【Navicular Drop test(NDT)方法や基準値は?】
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▶︎足部の評価も大切ですが、『正しい靴選びが出来ているか?』ということも大変重要です。
特に子供の頃は足の骨も完全に骨化していないので、特に靴選びが大切です。
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