廃用症候群に対するリハビリテーション(ベッドレスト、筋力低下、筋萎縮)筋力トレーニング

リハビリ

こんにちは!今回は、臥床による筋力低下の影響について、文献を元に記載していきます!!

※文献紹介を元にまとめていきますので、専門職向けの記事になります。

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●このブログをみて得られるメリット

・ベッドレストによる筋萎縮について、対応策が簡単に理解出来る。

目次 

・ベッドレストではどれくらい筋力低下する?

・健常筋と萎縮筋の筋肥大メカニズムの違い

・廃用性筋萎縮防止のためのトレーニング

・まとめ

・ベッドレストではどれくらい筋力低下する?

▶︎ベッドで寝ている期間が長くなると、我々の筋肉はどうなるのでしょうか?

以下文献より一部抜粋↓

【筋萎縮について】文献①

▶︎廃用性筋萎縮は不活動の開始とともに引き起こされ、不活動が開始した後最初の1週間が萎縮の割合が最も大きく、その後 萎縮率は徐々に低下する。

▶︎萎縮の程度は不活動により異なるが6週間のギプス固定によってヒトのヒラメ筋は約25%の減少を示す。また福永は、20日間のベッドレストによって大腿部の筋ではおよそ7~8%の筋量の減少が生じると述べている。

【不動の筋への影響】文献②

▶︎不動の筋への影響に関し,平均 67 歳の被検者の 10 日間の安静により,筋蛋白合成率が 0.077 から 0.051 と約 20 %減少していることが報告されている

▶︎筋の機能,形態の変化としては,

・神経筋接合部でのアセチルコリン放出量減少

・神経筋接合部やアセチルコリン受容体の形態

変化

・ジヒドロピリジン受容体(DHPR)の mRNA や

蛋白量増加

・筋小胞体の機能変化

・筋細胞内のカルシウムイオン濃度の増加

・アクチンの troponin C やミオシンの H 鎖,L

鎖などの速筋型への移行

フィラメント間の位置関係の乱れ

などが生じる。

▶︎廃用性萎縮は抗重力筋に起こりやすく遅筋(type 1)線維に多く見られ,遅筋線維の速筋化 もみられる

※抗重力筋

脊柱起立筋、広背筋、腹直筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋

↑廃用性筋萎縮について簡単にまとめると、

・不動から1週間が1番筋萎縮の割合が大きい

・抗重力筋の筋力低下が著明

・遅筋繊維に多くみられる

このあたりが特に大切かと思います。

・健常筋と萎縮筋の筋肥大メカニズムの違い

では次は、健常筋と萎縮筋の筋肥大メカニズムの違いについてです。

以下文献より一部抜粋↓

【筋萎縮】文献③

▶︎後肢筋を萎縮させたマウスに 筋力増強運動を行わせたところ,1 週間で運動 をさせていない正常なマウスと同程度の筋線維横断面積となった。

▶︎2 週間の尾部懸垂を施した筋は,筋線維横断面積が約 1/2 まで萎縮する。従って,萎縮筋に 対する筋力増強運動は,わずか 1 週間で,筋線 維横断面積の約半分を増大させる効果があると 考えられた。

▶︎健常筋に対する筋力増強運動の筋肥大効果 をみた他の研究では,筋肥大が観察されるまで に 8~16 週間を要するとされる

↑あくまでラットによる研究ですが、わずか1週間で筋繊維の約半分の筋の面積が増加したというのはすごいですね。

健常筋の筋肥大よりも、萎縮筋ではかなり早期にトレーニング効果が出やすいということですね。

・廃用性筋萎縮防止のためのトレーニング

▶︎では最後に、萎縮筋に対するトレーニング効果と具体的方法についてお伝えします。

以下文献より一部抜粋↓

【文献④】

▶︎一側の手術により30日間臥床中の患者の健側下肢に対し、最大抵抗で5回のSLRトレーニングを行っても、筋力増強の効果はなく、大腿四頭筋の筋萎縮が起こった。

▶︎健常者9人を対象に20日間のベッドレストを行い、トレーニング群は等尺性のレッグプレスを90度屈曲位で3秒間30回最大で実施。

結果、コントロール群は筋力が10.9%低下

筋断面積7.8%低下

トレーニング群は筋力低下なし

筋断面積3.8%低下

▶︎20日間のベッドレスト中のレッグプレスのトレーニング

・トレーニング方法:90%MVCで10回3セット+40%MVCで疲労困憊まで繰り返すレッグプレス

(毎日)

・膝伸筋の筋断面積は有意に増加(足底屈筋は12%低下。

↑ベッドレストでのトレーニングでは、遅筋の筋萎縮に対して、低負荷高頻度のトレーニングも必要ということですね!!

まとめ

▶︎以上、簡単にベッドレストでの筋萎縮とそのトレーニング方法についてまとめました!

▶︎健常筋に対してのトレーニングと、萎縮筋に対してのトレーニングは別物と考えて実施した方が良さそうですね!!

▶︎今後の臨床に是非活かしていきたいと思います!

それではこれで終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

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運動療法学第2版 障害別アプローチの理論と実際 [ 市橋則明 ]

高齢者の機能障害に対する運動療法 運動療法学各論 [ 市橋則明 ]

文献①

引用:山内.筋力トレーニング.関西理学 10: 19–23, 2010

文献②

引用:園田.不動・廃用症候群.Jpn J Rehabil Med 2015 ; 52 : 265.271

文献③

引用:伊東ら.筋力増強運動の効果が出現するまでの期間は萎縮筋と健常筋とで異なる.名古屋学院大学論集 医学・健康科学・スポーツ科学篇 第 4 巻 第 1 号 pp. 1-9

文献④

引用:市橋.運動療法学 障害別アプローチの理論と実際 第2版 pp.227-228

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