大腿骨頸部骨折の予後予測について(歩行獲得するためには)リハビリ・ガイドライン

リハビリ

こんにちは!今回は、大腿骨頸部骨折・転子部骨折の予後予測についてまとめました!

個人的に大切だと思う部分をガイドラインよりピックアップしていますのでご了承下さい!

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・大腿骨頸部骨折の予後予測について、必須項目のみいっき見出来る。

目次

・大腿骨頸部骨折の機能的予後

・大腿骨転子部骨折の機能的予後

・まとめ

・大腿骨頸部骨折の機能的予後

▶︎予後予測は、患者さんのアプローチをする上でとても大切な要素になります!

特に今回は、歩行能力などの「機能的予後」を、ガイドラインを元にみていきます!!

以下ガイドラインより↓

【解説】

受傷後,適切な手術を行い,適切な後療法を行っても,すべての症例が受傷前の日常活動レベルに復帰できるわけではない.歩行能力回復に影響する主な因子は年齢,受傷前の歩行能力,認知症の程度である.退院後,自宅に帰った症例(なかでも同居症例)は施設入所例よりも機能予後が良い.

↑①年齢②受傷前の歩行能力③認知症の程度

これらの要素が予後予測に大切であるということですね!

では各文献の詳細をみていきましょう↓

転子部骨折262例,頚部骨折165例に,骨接合,人工骨頭,THAを施行をした.生命予後は多変量解析で骨折前ADL,EEG,ECG,Hasegawa scoreが影響していた.機能的予後は55.8%の例に受傷前およびそれ以上の歩行能力を得た(F1F04388, EV level IV).

65歳以上の頚部骨折450例の検討.術後1年の歩行能力関連因子は術前歩行能力,退院後世帯状況(同居,別居),認知症,年齢,手術法であった(F1J00037, EV level IV).

65歳以上の手術例308例の検討.歩行再獲得の障害因子は,年齢,性,受傷前住環境,受傷前歩行能,認知症,脳神経疾患,貧血であった(F1J00100, EV level IV).

平均年齢78歳の頚部骨折218例の検討,平均年齢78歳.骨接合47例,骨頭置換153例,保存療法18例であった.平均33.6ヵ月の観察では,歩行能力への影響は年齢,認知症,受傷前の歩行能力の順に大きかった.90.4%の症例が術前と同能力を再獲得した(F1J01020, EV level IV).

大腿近位部骨折に対して観血的治療を行った219例において,認知症の有無,過去1年間の転倒回数,歩行再獲得率を検討した.認知症群では歩行再獲得率は35.6%であったが,認知症なし群では歩行再獲得率は71%であり,認知症群に対して有意に高かった(p =0.0000026).過去1年間の転倒回数が1回以内群では歩行再獲得率は68.5%であったが,2回以上群では歩行再獲得率は56.1%で,1回以内群に対して有意に低下していた(F2J00915, EV level III-2).

手術治療を行った大腿骨近位部骨折患者を65〜79歳までの高齢者群,80歳以上の超高齢者群に分けて歩行再獲得率を調査した.退院時の歩行再獲得率は,認知症合併がない場合,高齢者群では76.4%,超高齢者群では54.7%で有意差を認めた.認知症を合併した場合は,歩行再獲得率は高齢者群で13.3%,超高齢者群で11.8%で有意差がなかった(F2J00954, EV level IV)

↑とのことでした!

では次は大腿骨転子部骨折の機能的予後についてみていきます!

・大腿骨転子部骨折の機能的予後

【解説】

受傷後,適切な手術を行い,適切な後療法を行っても,すべての症例が受傷前の日常活動レベルに復帰できるわけではない.歩行能力回復には受傷前の歩行能力と年齢が大きく影響する.術前の生活が自立していたものは自宅への退院が可能なものが多く,年齢が高いと歩行能力が落ちるものが多い.その他,骨折型(不安定型が不良),筋力,認知症が機能予後に影響する.

↑頸部骨折の機能的予後と少し違うのは、「骨折型」と「筋力」くらいでしょうか?

では詳細をみていきます↓

転子部骨折149例に対する手術後の歩行能力の経時的変化の分析では,術後3ヵ月で術前と同等の歩行能力に戻ったのは半数以下.術後3ヵ月から6ヵ月での歩行能力の改善に関与したのは,不安定型骨折,筋力の回復,疼痛の改善であった.不安定型骨折では術後3ヵ月以上リハビリテーションを継続する必要がある(F1F05575, EV level III-1).

日本人の大腿骨近位部骨折(内側,外側を含む)1,217例で,手術療法を92%に行い,術後1年で受傷前の歩行能力に回復したのは67%.受傷後1年時の歩行能力再獲得に有意な因子:80歳未満,受傷前の歩行能力,術後2週時のADL自立度,認知症なし,反対側の頚部骨折なし,術後2週で少なくとも屋内歩行可(F1F02154, EV level II-2).

退院時の歩行能力に影響する因子は,年齢と受傷前の歩行能力が最も大きく,受傷前の合併症,骨折型の順で,術者の経験はあまり影響しなかった(F1F04025, EV level II-2).

大腿骨近位端骨折223例224肢(転子部骨折188例)に対してGammaネイルを施行.術後6ヵ月時に介助なしに歩行が可能となったのは50例(30.7%),介助歩行が可能となったのは86例(52.8%)であった(F1F02149, EV level IV).

65歳以上の大腿骨近位部骨折395例を,85歳以上の超高齢群と65〜84歳の高齢群に分けて退院時歩行能力を調査したところ,歩行能獲得率は超高齢群の58%に対して高齢群では75%であった(F2J00568, EV level IV).

大腿骨転子部骨折に対してGammaネイルで治療した85例を調査したところ,歩行能力の低下の原因として,年齢(80歳以上),リハビリ開始時期の遅れ(6日以降),認知症,合併症の存在(心疾患,精神疾患),反対側の大腿骨頚部骨折の既往があげられた(F2J00544, EV level IV).

↑ガイドラインは以上のような記載でした!

転子部骨折の方が少し因子が多いような気がしますね。

・まとめ

では、それぞれまとめていきます。

★大腿骨頸部骨折

【予後予測因子】

・年齢(80を境に)

・受傷前の歩行能力

・認知症の程度

・性

・受傷前住環境

・脳神経疾患の有無

・貧血の有無

・過去1年間の転倒回数

【歩行獲得率】(術前と同様の能力)

▶︎認知症なし(80歳以上含む)54.7%〜90.4%

▶︎認知症あり(80歳以上含む)11.8%〜35.6%

▶︎過去1年間の転倒回数が1回以内68.5%

2回以上56.1%

★大腿骨転子部骨折

【予後予測因子】

・受傷前の歩行能力

・年齢

・骨折型(不安定型が不良)

・筋力

・認知症の有無

・疼痛の有無

・受傷前の合併症

・リハビリ開始時期の遅れ(6日以降)

・反対側の大腿骨頚部骨折の既往

・術後2週時のADL自立度

【歩行獲得率】

▶︎30.7〜75%(詳細な分類は不明)

↑このようになりました!

頸部骨折・転子部骨折で少し違いはありますが、年齢・受傷前のレベル・認知症の有無は特に大切な因子になりそうですね!!

また歩行獲得率は、認知症がない方はだいたい50%以上ありそうですね。

認知症の有無でかなり予後が変わってくるので、特に要注意です。

これらの因子を介入初期にチェック出来ていれば、おおよその予測は出来そうですね!!

今後の臨床に活かしていけたらと思います。

今回はこれで終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

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